“歯科医師、歯科衛生士(歯科助手)と言語聴覚士との連携について“の講義が追加
「音声機能、音声障害、摂食・嚥下障害のある方への対処法」の講義が追加されました。
講義の内容は“歯科医師、歯科衛生士(歯科助手)と言語聴覚士との連携”についてです。
歯科衛生士及び歯科助手の方も無料で講義に参加することが可能です。是非、ご検討下さい。
一般社団法人東京形成歯科研究会
施設長・理事長 奥寺 元
「口腔外科手術のための基本的手技」
佐賀医科大学名誉教授 九州歯科大学客員教授 香月 武 先生
日本歯科医師会編歯科インプラント治療指針(平成 25 年 3 月)によるとインプラント手術に関連した重篤な偶発症・合併症の代表例は神経麻痺、上顎洞内異物迷入異常出血などで、これらの頻度が比較的高いと考えられている。この偶発症は歯科医師の診断技術の未熟さに起因するだけではない。むしろ臨床経験が長く、インプラント治療の患者数や埋入本数が多い歯科医師は、難
症例やリスクの高い手術を行っているため、偶発症の頻度は増える傾向にあるという。
偶発症予防のためには、正確な手術手技とともに、術前の十分な検査と適確な診断が重要と考えられる。不幸にも偶発症が起こってしまった場合に備える必要があるのはいうまでもないが、自院での対処が困難な場合の高次医療機関への紹介、搬送など速やかに対応できる体制を整えておくべきである。
代表的な偶発症として挙げられているものには神経損傷、上顎洞炎、上顎洞内異物迷入、異常出血が挙げられている。これらは臨床解剖、あるいは外科解剖を熟知していると避けられるので、この講演では解剖学について述べる。
1)神経損傷
特に下顎臼歯部にインプラントをする場合に下歯槽神経を損傷して、下唇の知覚障害を起こしやすい。画像診断で下顎管の走行を良く調べて、安全な場所にインプラントを埋入する。
2)上顎洞内異物迷入
上顎臼歯部にインプラント手術中に器具やインプラント体やカバースクリューの洞内への落ち込みなどが多い。上顎洞の形態を良く調べ、骨が薄い場合はドリリング時にも、インプラント埋入時にも、細心の注意を払い、インプラント体の初期固定を確実にする。
3)異常出血
口底の出血は気道の閉塞を来し、致命的な偶発症になることは周知のことである。下顎の舌側以外の部位での出血は止血処置が行いやすいが、舌側での出血は、出血点が確かめにくいので、止血処置が難しい。気管切開の適応になる可能性が高い。インプラント埋入時には、下顎舌側の皮質骨を貫通しないようにドリリングすることが重要である。意識的に皮質骨を貫通させる時には、舌側の粘膜骨膜弁を顎舌骨筋線の下方まで剥離して、明視下に手術操作をするべきである。
外科解剖は高度なインプラント埋入には必須である。その知識を応用して行われる高度なインプラント埋入の症例を供覧する。
症例 1 セラミック人工骨インプラントによる下顎骨の再建
症例2 下歯槽神経移動術と下顎臼歯部インプラント埋入後の補綴治療
症例3 高度萎縮下顎臼歯部へのインプラントの舌側傾斜埋入後の補綴治療
香月 武
佐賀医科大学名誉教授
日本口腔外科学会名誉会員、終身指導医、
日本口腔インプラント学会名誉会員、終身指導医
日本口腔科学会名誉会員
日本顎変形症学会名誉会員
日本口蓋裂学会名誉会員
九州歯科大学客員教授
ヨーロッパ顎顔面外科学会会員
スリランカ、ペラデニア大学客員教授
チュニジア、スース大学客員教授
モンゴル健康科学大学客員教授
特定非営利活動法人「インターナショナル・葉隠」理事長
「音声機能、音声障害、摂食・嚥下障害のある方への対処法“歯科医師、歯科衛生士(歯科助手)と言語聴覚士との連携”について」
昭和大学歯学部 元勤務 言語聴覚士 鈴木規子 先生
ことばの障害(失語症や言語発達遅滞など)、きこえの障害(聴覚障害など)、声や発音の障害(音声障害や構音障害)、食べる機能の障害(摂食・嚥下障害)などの障害は、生まれながらの先天性から、病気や外傷による後天性のものもあり、小児から高齢者まで幅広く現れます。
問題の本質や発現メカニズムを明らかにし、対処法を見出すために様々なテストや検査を実施し、評価を行った上、“医師・歯科医師、看護師・歯科衛生士(歯科助手)の言語聴覚士との連携”について、講義いたします。
「インプラントケア、特に高齢者のケアについて」
一般社団法人東京形成歯科研究会 会長 古谷田 泰夫 先生
インプラント治療は今や補綴の一手法として定着し、施術されている。人は誰しも老いてくる、患者さん然り、施術している歯科医師も同様である。超高齢化社会を迎えた日本では、高齢者の診療は避けて通れない。インプラント治療は、欠損補綴である以上多くの場合、高齢者を施術対象としている。インプラントのケアを考えるとき、全身的変化だけではなく精神的・心理面でのケアも必要であり、経済的背景も考えなければならない場合がある。かかりつけ歯科医という観点から見れば、自分で施術した患者さんに対しては最後まで寄り添い、 見とどける姿勢が必要なのではないだろうか。戴いたインプラントケアという演題を通して皆さんとともに考えたいと思います。
古谷田 泰夫
日本口腔インプラント学会 専門医 代議員
日本歯科放射線学会 歯科エックス線優良医
神奈川県接触嚥下相談医
ICOI(国際口腔インプラント学士会) FELLOW DIPLOMATE
ALD(レーザー歯学会) 炭酸ガスレーザー・ダイオードレーザー 認定医(カテゴリーⅡ)
一般社団法人東京形成歯科研究会 会長
「骨形成系細胞へのラクトフェリンの作用」
横浜薬科大学総合健康メディカルセンター准教授 出雲 信夫 先生
【目的】ラクトフェリン(LF)は、乳中に存在するタンパク質で骨芽細胞等の増殖を促進すること、また、破骨細胞の骨吸収を抑制することが報告されている。そこで本実験では、マウス骨芽細胞様細胞 MC3T3-E1 細胞を用い、石灰化の形成、アルカリホスファターゼ(ALP)活性、骨形成の分化マーカーである Osteocalcin(OC)の発現レベルへの LF の効果について検討した。さらに、卵巣摘出(OVX)マウスを用い LF 投与による治療効果について検討した。
【方法】MC3T3-E1 細胞は 10%FBS 含有α-MEM で培養した。培養 2 日後より LF を添加し 1 週間培養を行った。その後、ハイドロキシアパタイト(HA)を添加し、アリザリンレッド染色を行い石灰化の評価を行った。また、ALP の活性化を検討した。さらに細胞より mRNA を抽出し、RT PCR 法により OC の mRNA 発現レベルを解析した。また、8 週齢の雌性 ICR 系マウスを群分けし、OVX と偽手術(Sham)を施した。OVX2 ヶ月後より週 5 日、生理食塩水、LF を 8 週間投与した。投与終了後、左大腿骨は CT 装置により骨密度を測定し、右大腿骨は、骨強度測定装置を用い大腿骨頸部の強度を測定した。
【結果・考察】LF の添加は、MC3T3-E1 細胞の石灰化の促進を増強するこが明らかになった。また、その作用に ALP の活性化、OC 発現レベルの増加の関与が考えられた。以上の結果より、LF は骨形成の増加により石灰化を促進することが示唆された。さらに、卵巣摘出マウスの検討よりOVX 群に比較し、LF 投与群において骨密度の回復傾向がみられた。さらに、骨強度の結果より、OVX 群により低下した骨強度が、LF 投与によって有意に回復した。以上の結果より、OVX による骨量の減少に LF が治療効果を示すことが考えられ、その作用に骨形成系が関与している可能性が示唆された。
出雲 信夫
星野 達雄
奥寺 元
所属学会・認定医
(公社)日本口腔インプラント学会研修施設 一般社団法人東京形成歯科研究会 施設長 理事長
日本口腔衛生学会元理事、指導医
(公社)日本口腔インプラント学会理事
元国際インプラント学会 ICOI 会長
元東京医科歯科大学臨床助教授
ICOI フェロー、ディプロメイト、専門医
国際血液生体材料臨床応用会議理事長
顎顔面口腔インプラント学会指導医
日本有病者歯科医療学会指導医
元 神奈川歯科大学学会選出評議員
元顎咬合学会指導医
アメリカレーザー学会指導医
神奈川歯科大学客員教授
台湾 ・ 台北医学大学客員教授
東京医科歯科大学講師
国際口腔美容アカデミー代表
国際顎顔面口腔美容外科学会認定医
日本歯学医学会元予備評議員
第 101 回日本美容外科学会副会長